アーティスティックスポーツ研究序説
アーティスティックスポーツ研究序説
- 出版年
- 2020年6月 URL
- 出版社
- 白水社
- 著者
- 町田 樹(単著)
- 総ページ数
- 488p.
スポーツか、アートか――。
フィギュアスケート、新体操、アーティスティックスイミング、ダンススポーツなど、スポーツとアートの重複領域についての初の論考。〈アーティスティックスポーツ〉という身体運動文化を、経営・経済学、法学、社会学、芸術学などを横断して探究する。新進気鋭の若手研究者がスポーツ科学に新たな沃野を拓く画期的な著作。
本書は全六部構成となっており、その中でアーティスティックスポーツをめぐる第Ⅰ部「美学論」、第Ⅱ部「著作権論」、第Ⅲ部「作品批評論」、第Ⅳ部「市場経済論」、第Ⅴ部「産業論」、第Ⅵ部「アーカイブ論」が次々に展開される。これから先の時代、アーティスティックスポーツの文化はいかにあるべきか――。スポーツとアートが汽水域のように交じり合う身体運動文化を永続的に存続させるための創造と享受のあり方について、学際的観点から徹底的に考察していく。スポーツ科学の学術界はもとより、アーティスティックスポーツに関わるすべての人々にとって必読の書となるだろう。
目次
序 章 アーティスティックスポーツ研究序説
第I部 アーティスティックスポーツという新ジャンル
第2章 「アーティスティックスポーツ」の原理
第I部結語 アーティスティックスポーツの振興のために
第II部 著作権法によるアーティスティックスポーツの保護の可能性
第2章 アーティスティックスポーツの実演該当性
第II部結語 著作権法による保護対象としてのアーティスティックスポーツ
第III部 鑑賞されるアーティスティックスポーツ
第2章 プログラム再読のすすめ
――アダム・リッポン《牧神の午後》を題材としたフィギュアスケート作品分析
第III部結語 等閑視されてきた芸術性を救済する批評
第IV部 スポーツ市場とアート市場を媒介するアーティスティックスポーツ
考察――フィギュアスケート鑑賞者の消費行動分析を主軸として
第2章 観戦から鑑賞という眼差しへ
――アーティスティックスポーツが拓く新たな市場とそのマーケティング
第IV部結語 アーティスティックスポーツ市場におけるマーケティングの可能性
第V部 アーティスティックスポーツの産業領域
――フィギュアスケートを参照事例として
第2章 華美柔弱な産業構造――二次データから読み取るフィギュアスケート産業の現状
第3章 スケートリンクのサステナビリティ再考
――マイナーあるいはアーティスティックスポーツのファシリティマネジメント序説
第V部結語 アーティスティックスポーツという文化体系としての産業
第VI部 アーカイブが拓くアーティスティックスポーツの未来
第2章 アーティスティックスポーツをめぐるアーカイブの理論と実践
第3章 スポーツアーカイブ構築の理念と法的根拠
第VI部結語 アーカイブが築く文化としてのアーティスティックスポーツ
終 章 アーティスティックスポーツの創造と享受のために