楽興の時
2024 Spring:Moments Musicaux
フランツ・シューベルト(1797-1828)のピアノ曲として最もポピュラーな「楽興の時 第3番」(1823-1828)。それをポーランド出身のレオポルト・ゴドフスキー(1870-1938)が編曲した楽曲である。より豊かな和声が鳴り響き、今井顕による文字通り「踊り心」をくすぐるようなピアノ演奏の効果もあって、いかにも東欧的な民族舞踊を連想させる編曲となっている。
町田はかつて本曲を、プロフィギュアスケーター引退記念の作品(《そこに音楽がある限り》第一作、2018)として創作し滑った。リズミカルな曲調をステップやターンを基調とした極上のスケーティングで魅せた作品を、今回は上野水香のダンス作品として町田が再創造したのである。氷上/舞台上、それぞれの特性を活かし切る振付の工夫が凝らされる。そして快活で瀟洒な舞踊にも定評がある上野水香ならではの、「楽興の時」を堪能したい。
Art Direction(監修):Atelier t.e.r.m
Choreography(振付):Tatsuki Machida(町田樹)
Performance(実演):Mizuka Ueno(上野水香)
Music(音楽):Moments Musicaux(楽興の時)
[Akira Imai plays Schubert, ナミ・レコード, WWCC7338]
Composer(作曲):Franz Schubert(フランツ・シューベルト)
Arrangement(編曲):Leopold Godowsky(レオポルド・ゴドフスキー)
Piano(演奏):Akira Imai(今井顕)
Music Editor(音楽編集):Keiichi Yano(矢野桂一)

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