2024.08.31
エチュードプロジェクト第二弾のリリース決定のお知らせ
相変わらず酷暑の日々ですが、いかがお過ごしでしょうか。
私は現在、9月23日に大阪府立臨海スポーツセンターにて開催予定の「大人スケーターのためのスケーティングワークショップ」に向けて鋭意準備中です。
さて、この度はエチュードプロジェクトの第二弾のリリースが決定致しましたので、ご報告をさせていただきます。昨年より「誰もが、いつでも、どこでも滑れる」をコンセプトにエチュード作品の創作と公開を行っておりますが、先にお伝えいたしました大阪府立臨海スポーツセンターでのワークショップにて、エチュード作品第二弾を発表することになりました。
今回発表するエチュード作品は、ショパンの「プレリュード第7番」を用いた50秒ほどの小作品です。タイトルは《朝露》(Morning Dew)と命名しました。《朝露》はスケート初心者のための作品で、スケートを習い始めたばかりの方から2級相当のスケーターに滑っていただける内容となっております。来たる9月23日のワークショップで初公開し、参加者の皆さんにも演技していただく予定です。
そして今回なんと、とても光栄なことに、《朝露》の制作にピアニストの福間洸太朗さんにも参画して頂いております。福間さんは、今回のプロジェクトの趣旨をご理解くださり、《朝露》のためにオリジナルの演奏音源を特別にご提供くださいました。福間さんの美しいピアノ演奏とともに、気持ちよく滑れるエチュード作品になっておりますので、ぜひ楽しみにしていただけましたら幸いです。
なお、今回のエチュード作品リリースを前に、福間さんよりメッセージをお寄せいただきました。以下に、《朝露》の作品ライナーノーツと併せて転載しておりますのでで、ぜひご覧ください。
また、大変ありがたいことに、9月23日のワークショップの参加チケットは全て完売いたしました。多くの方々とワークショップを開催することができうれしく思っております。当日は準備万端整えて、参加者の皆様のお越しをコーチ陣一同お待ちしております。
なお、見学チケットに関してはまだ数枚程度残っておりますので、もしご興味がありましたら、以下のフォームからお申し込みください。
■「大人スケーターのためのスケーティングワークショップ」申し込みフォーム:
https://forms.gle/uGmtDxWJc4DQwWeV9
※見学のみ受付可
末筆になりますが、報道によりますとまだ酷暑の日々が続くようです。皆さん、夏バテ等で体調を崩されませんよう、くれぐれもご自愛ください。
私も暑さに負けず、来たるワークショップやその後のフィギュアスケート関連仕事を全うできるよう頑張っていきたいと思います。
2024年8月31日
町田 樹
【エチュード作品第二弾《朝露》の作品情報】
■作品ライナーノート
エチュード第二弾は、フレデリク・ショパンの《24のプレリュード》第7番イ長調を取り上げます。第二作品となる今作は、フィギュアスケートのビギナークラスを対象とするもので、スリーターン、ブラケット、ロッカー、カウンターといった基本的なターンの習得を目的としています。
日本においては今でも、ショパンの「プレリュード第7番」といえば、某胃腸薬のCM曲として有名なのですが、今回はこのイメージを転換するために、《朝露》(Morning Dew)というオリジナルのタイトルをつけて発表いたします。爽やかで静かな朝景色の一隅—— 葉っぱや花に光り、こぼれ落ちる朝露の、しとやかで軽やかな情景を思い起こしたいのです。
それにしてもわずか50秒、16小節という短い曲ですが、聞き込めば聞き込むほど、実に様々な音楽的要素が詰まっている佳品であることに驚かされます。ショパンの自筆楽譜には冒頭にdolce (ドルチェ=甘く、優しく)という指示が書き込まれているそうで、確かに甘く、少し儚い曲想に繋がっています。
そして同時に、四分の三拍子のマズルカでもあると聞くと、はっと、「あ、これは舞踊曲にもなるんだ」と納得されることでしょう。
実際、ショパンのこの小品を愛した20世紀スペイン・カタルーニャの作曲家フェデリコ・モンポウ(1893-1987)は、1937年から20年もかけて《ショパンの主題による変奏曲》を創作しました。英国ロイヤルバレエ団のために構想された曲でしたが、舞台は実現していません。ただこの変奏曲には、たった16小節の原曲から想像を膨らませて、マズルカ、ワルツ、ギャロップ・・・とあらゆる舞踊曲の形式が織り込まれており、それを聴くと、元々のプレリュード第7番の音楽性の豊かさを、改めて実感することもできるのです。
今回、この《朝露》の演奏をご快諾頂いたのは、ピアニスト・福間洸太朗さんです。高い技術と知的感受性を発揮して、世界中で新鮮な演奏活動を展開している福間さんは、フィギュアスケートを最も良く知るピアニストでもあります。今回満を持して協働できることを大変嬉しく思います。
福間さんはこの16小節の演奏法を熟考した上で、贅沢にも何種類もの演奏を私たちに提案してくださいました。それを受けて今回、初心者向けにはフランスサヴォワ地方、ボージュ山脈中の村エコールの教会で演奏した録音(使用ピアノ・ファツォーリ)を、中級者むけにはオランダ・ライデンで演奏された録音(使用ピアノ・シゲルカワイ)に振り付けました。その美しい響きを、ぜひ日本のスケート場でも楽しみながら、練習していただければこんな嬉しいことはありません。
本作のデビューは、本年9月23日に大阪府高石市の臨海スポーツセンターにて開催する「大人スケーターのためのワークショップ」です。その後、YouTubeチャンネル「町田樹のエチュードプロジェクト」においても順次公開してく予定です。また本プロジェクトについては、もう一つ別のサプライズを企画しております。秋頃に発表できる見込みですので、乞うご期待ください。
■福間洸太朗さんからのメッセージ
今回、町田樹さんから「ショパンの前奏曲第7番で、《朝露》というイメージの作品を創りたい」と伺い、爽やかな朝、露の光や僅かな揺らぎなどを音で表現しました。2小節毎の8つのフレーズが、毎回裏拍(3拍子の3拍目)から始まりますが、音の高さ、ハーモニーによってタイミングやニュアンス、1拍目の音に向かってどのように繋げるかを変化させながら弾いています。広大なアイスリンクで音源が流されるという前提ですので、音のダイナミクスの幅はあまり大きくしませんでしたが、最後の2小節は終始感を持たせるため、音が遠のいていくイメージで弾きました。
■作品クレジット
Art Direction(監修):Atelier t.e.r.m
Choreography(振付):Tatsuki Machida(町田樹)
Performance(実演):Tatsuki Machida & Any Skaters
Music(音楽): 24 Préludes , Op.28, No.7
Composer(作曲):Frédéric Chopin
Piano(ピアノ演奏):Kotaro Fukuma(福間洸太朗)
2024.07.23
大人スケーターのためのスケーティングワークショップ
(@大阪府立臨海スポーツセンター)開催のお知らせ
この度、9月23日(月・祝)に、NPO法人関西スケート振興会(臨海スポーツセンター所属フィギュアスケートコーチの先生方)と、関西で大人スケーターを中心に指導されている澤田亜紀コーチ